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マーケティングのLTVとは?顧客生涯価値の計算方法と活用事例

 2020/05/08 マーケティング
この記事は約 9 分で読めます。


売上を上げる

というのは、どんな企業でも必ず成し遂げたい目標ですよね。

そのための方法は多くあり、例えば顧客単価を上げたりセールスをしたりします。

 

そして様々な対策を取り、それがどれほどの効果を発揮したのかを算出することも大切ですよね。それがわからないとその対策を続けるべきか改善するべきかの判断ができません。

 

様々な指標がありますが、その中にLTVというものがあります。

 

今回はマーケティング用語のLTV(顧客生涯価値)について、そして計算方法や活用事例についても触れていきます。

 

 

 

 

マーケティングのLTVとは

LTVとはLife Time Valueの略称で日本語では顧客生涯価値と言います。

1人(1社)の顧客が最初の取引から関係性が続くまでの間に、企業に与えられる収益の総額を算出する指標です。お客様が最初に商品を買ってから付き合いが終わるまでの間に、どれだけお金を使ってくれるかを示す指標ということですね。

 

 

一度だけ購買して終わるのではなく、様々な施策を行ってお客様との良好な関係を築き、リピートしてもらうことでLTVは高められます。一度だけの取引となると新規顧客の獲得を続けなければならず、コストもかかるためLTVを高めるためにもリピート率の向上を狙う企業がほとんどです。

利益からコストを引いて累積利益額を求める場合もあります。

 

LTVが高い企業の特徴

カスタマーロイヤリティ(=企業に対する愛着)が高い企業は基本的にLTVが高いです。

 

例えば、シャンプーは絶対コレ!と決めているとそのシャンプーばかり買いますよね。愛着があり何度もリピートします。こういうお客様を何人も抱えているブランドのLTVは高いといえます。

新商品を出した時も「この会社の新商品だし試そう」と買ってくれることが多いです。

 

得られる効果とは

新規顧客獲得はどの業界でも難しいもので、特にレッドオーシャンではかなり困難になります。かかるコストも高いので企業にとってはかなりの負担です。ですがLTVを上手く活用することでかける費用の基準を持てるようになるのです。

 

新規顧客獲得は既存顧客維持の5倍のコストがかかると言われています。LTVを分析し、どれくらい費用をかけるべきかを把握して、LTVを高める施策を打ちます。そうすることで企業が生き残りやすくなります。

 

LTVを高めるために

方法としては5つあります。

  • 獲得顧客数を増やす
  • 平均購買単価を上げる
  • 購買頻度を上げる
  • 顧客維持率を上げる
  • 顧客獲得・維持コストを下げる

 

「獲得顧客数を増やす」は、LTVは基本的にお客様一人について計算するものですが、それが難しい場合も多々あります。その場合は全体の数字から1人あたりの平均を出して計算します。

この方法で計算する場合は、購買金額の高い顧客を集めればLTVが上がるといえます。

 

「平均購買単価を上げる」は単純に一人当たりの購買単価を上げるものです。手法は値上げがもっとも単純で簡単なものになります。

 

「購買頻度を上げる」というのは、そのままですが商品の購買頻度を高めてLTVを高めるというものです。継続的に購入されている商品であれば、過去のデータを分析して購買頻度を上げる施策を打つことが可能です。

 

「顧客維持率を上げる」は、お客様との関係を長期的に続けてリピート客を増やすことです。営業職の腕の見せ所になり、信頼関係を築く必要があります。

 

「顧客獲得・維持コストを下げる」とは、例えばIT技術を導入して作業時間の短縮をしてコストを抑えるなど、不要分を削ったり技術の導入を行います。そうすることで売上から引く分が減り、結果としてLTVを高めることができます。

 

利益を上げるか費用を抑えるかが手段となります。現在行っているビジネスに一番取り入れやすいものを実施していきましょう。

 

より具体的な方法を説いた動画がありますので、気になる方はご覧ください。

 

顧客生涯価値の計算方法

LTVの計算式はいくつかありますが、最も使われるのがこちらです。

LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間

 

では実際に計算してみましょう。

  • 1会計当たりの購買額 平均10,000円
  • 1人当たりの年会購買頻度 平均2.5回
  • 年間20%の顧客が離反⇒1人当たりの継続期間は1÷0.20=5年

という条件だった場合のLTVは

10,000円×2.5回×5年=125,000円

となります。

顧客を1人獲得すると125,000円の売上を得られるということですね。

 

他にはこんな算出方法があります。

LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買機期間←一般的

LTV=(平均購買単価×購買頻度×継続購買期間)-(新規獲得コスト+顧客維持コスト)

LTV=平均購入単価×平均購入回数

LTV=顧客の年間取引額×収益率×継続購買年数

LTV=利益×取引期間×割引率

 

 

活用事例

LTVの分析を上手く活用して成功した例がいくつかあります。

 

今回はその中から3つの例を紹介します。

 

事例① 健康食品

健康食品を扱う企業が、定期購入を増やすことでLTVの向上を目指して取り組みを行っていました。

ある健康食品を1,000円というお試し価格で販売しました。購入したお客様に対して「商品到着後」「使用中」「使い終わる頃」の3段階に分けて、定期購入を50%offのメールを送っていました。

商品を気に入っていた人にとっては嬉しいオファーでしたが、1,000円だから買っただけのお客様には全く刺さらず購買に至りませんでした。

確かに価格の安さに惹かれて購入したのですからロイヤリティの高い顧客になるかと言われると難しいですよね。

 

そこで送るメールを変えました。

割引メールから商品理解のためのメールに変えたのです。類似品と比較してどう優れているのか、お客様のメリットは何かなどのメッセージを送ったのです。

するともともと購入へ前向きだったお客様はスムーズに定期購入をしてくれるようになり、購入を検討していなかったお客様が前向きに検討してくれるようになりました。実際に購入する人も増えたそうです。

それでも購入をしなかった層に対しては最終段階として50%offのオファーをしました。

結果、LTVを向上することに成功したそうです。

 

リピート客を増やすことに成功した例です。

ただ割り引くだけでは効果がありませんが、商品について教育したことで理解が深まり、興味を持たせることで購入に繋げました。

 

事例② 美容室

美容室の集客手段と言えばインターネット広告だったり地域のフリーマガジンが多いですよね。ですが、この方法はどちらも競合他社が多いんですよね。つまり新規顧客獲得が難しいのです。

とある美容室もインターネット広告やフリーマガジンの広告を出していますがなかなか顧客を獲得できずにいました。割引のクーポンを発行したりもしていますがなかなか思うようには集まりません。

 

そこで、視点を変えることにしました。

 

今までは新規のお客様を狙って様々な広告を出していましたが、リピート客を増やすことを狙った施策を打ちました。

今まで出していた広告に再来店者用のクーポンを載せたり、ポイントカードを発行したり、施術をしたお客様に割引クーポンを発行したりなどを行いました。

施術に関しても丁寧に寄り添うような対応を心掛け、定期メンテナンスを促すようにしたそうです。

するとリピートするお客様が増え、お店に愛着をもってくれる方が増えました。定期的に来店されるお客様が増えたためLTVが向上したそうです。

 

リピート客を増やすことと、費用を抑えることでLTVの向上を成功させた例です。

先ほども述べましたが、新規顧客獲得は既存顧客へのアプローチにかかるコストの5倍かかるといわれています。新規顧客獲得ばかりを狙うあまり集客コストが大きくなっていたのでした。

対象を少しかえるだけでもかなりの違いが出るのです。

 

事例③ 結婚相談所

とある結婚相談所では、出会いから結婚するまでのサポートなどを行ってきました。ですが業界の発展もあってか、なかなかお客様が集まりにくくなっていたのです。

 

そこで、従来通りの結婚までのサポートに加えて様々な事業を展開していきました。結婚後の住まいについてだったり、転職や出産・育児など総合ライフデザイン提供にまで事業を拡げたのです。成婚までサポートしたお客様がその後のことについても相談に来るようになりました。

事業拡大のコストはありますが、結果として成婚後も引き続きサービスを受けるお客様が増加したためLTVは向上しました。

この場合ですが、それまでのサービスで実現していたLTVに比べてどれだけ向上したかで評価ができます。何%が引き続きサービスを受けて、年間の売上が何円増加したかなどで算出します。

 

購買頻度を上げることと既存顧客の維持を狙い成功した例です。

従来の結婚相談所では成婚したらそれで終わりという形がほとんどでしたが、この方法を使うことで成婚後も長期にわたって取引することが可能になりました。

 

 

まとめ

今回はマーケティング用語のLTV(顧客生涯価値)について、その計算方法や活用事例を紹介していきました。

 

 

マーケティングを行っていくうえで、LTV(顧客生涯価値)を計算し活用していく必要があります。

 

商業が飽和状態になっているレッドオーシャンでは特にですが、基本的には既存顧客の維持を目指し、どれだけ新規顧客の獲得にコストを割くかというのが今後のマーケティングにおいて重要になってきます。

一度LTVを算出してみましょう。

 

 

次回のブログをお楽しみに!

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