顧客単価を上げる5つの方法
新規顧客を獲得するとか、商品を増やすとか、値上げをするとか、いくらでも方法があります。
その方法の中に顧客単価を上げるというものがあります。
聞いたことがある人が大半だと思いますが、具体的にどんな方法があるのか気になりますよね。
そこで今回は顧客単価を上げる方法を5つ紹介していきます!
Contents
顧客単価とは
顧客単価とは、1回の購買で消費者1人あたりが支払う総額のことを指します。
1回にどれだけのお金を使ってくれるかですね。
「客単価」「平均単価」「売上単価」とも呼ばれます。
ここでポイントですが、購入していないお客様のことは含めずに考えます。購入したお客様のみをカウントして計算します。
最も簡単な式は
顧客単価=売上高÷客数
です。
計算するときに注文回数や商品数で計算してしまうことがありますが、会計したお客様の数で計算するのが正しいので間違えないようにしましょう。
顧客単価が上がる=売上高が上がるということになります。
売上高=顧客単価×客数という式になるので、売上高を上げるということは顧客単価を上げるか客数を増やすかになるわけですね。
顧客単価が下がる原因
顧客単価が下がる一番の要因は値下げです。
客数や購入点数は増えるかもしれませんが、顧客単価は確実に下がります。1つ当たりの商品の値段が下がっているので当然ですよね。
在庫処分などの意味合いを持っての値下げは売上をあげるための手法として使われていますし、間違っていません。
ですが、顧客単価という視点においては悪手です。1度値下げをすると上げるのが難しくなります。
スーパーで食品を一定時間が過ぎたら半額にしたりする光景を見たことがあるかと思いますが、これを行うとその時間まで待って購入するという人が出てきます。
結果その人は通常価格よりも安く買っているので、顧客単価は下がっていますね。
また、安価で販売すると「安価だから」という理由でお客様が集まります。これはほかにもっと安価で提供してくれるお店ができたらすぐにそちらに乗り換えるのです。すると客数も減ってしまいます。あまりない例ですが0ではありません。
下手に値下げをするのはお勧めしません。
顧客単価を上げる方法
売上のためにも、顧客単価を上げたいですよね。
顧客単価を上げるには様々な手法がありますが、今回はその中から値下げをせずにどうやって買ってもらうか?という点に着目して5つの方法を紹介します。
1.松竹梅の法則
松竹梅の法則とは、3段階の選択肢があった時に、真ん中のものを多くの人が選ぶという心理傾向のことです。
極端の回避性ともいわれ、1番高いものや1番安いものを無意識に避けようとする心理が人にはあります。
高いものは「贅沢だ」「損するかもしれない」と考え、安いものだと「品質が良くないかもしれない」「貧乏だと思われるかもしれない」という考えが働くため、真ん中を選ぶ傾向があるのです。妥協効果とも言います。
割合は
松=2:竹=5:梅=3
となっています。
竹を買うのが半分で、お得なものでいいという人が梅を、高くても高品質を求める人が松を買います。
使い方
まず竹に一番売りたい商品を置きます。その下位互換を梅に、上位互換を松に持ってくるのが基本となります。
上位商品は下位商品の要素を全て持つことも必須です。
松・・・A,B,C+D,E
竹・・・A,B,C+D
梅・・・A,B,C
商品の作り方についてですが、竹は従来通りのものを作ります。
松は多少手間がかかっても高級な商品にしましょう。梅ですが、安くてリスクも低く労力がかからない商品にします。梅に労力を割くとそこに時間を取られ、本来売りたい竹を十分に売れなくなる可能性があります。
商品を売るときに、まず松の商品が目に入るようにします。次に竹、梅と目に入るようにします。アンカリング効果という、最初に見た数字を基準にしてその後のものの印象を左右される人間の性質を利用して、よりお得感などを演出していくものです。
注意点
選択肢を2つにしたり4つ以上にするのはお勧めしません。
2つにした場合、7割の人が安い方を選ぶため、顧客単価が上がりません。
選択肢を1つ増やすだけで約4割のお客様が安いものを選ばなくなるのです。
4つ以上になると選択回避の法則という心理が働くため、「買わない」という選択肢をする人が増えます。
飲食店のように、入った段階で買うことが決定している場合は良いですが、まだ買うか決めてない段階で多くの選択肢を出されると人は面倒に感じて「後にしよう」「一旦帰ってから考えよう」となり購買に至らなくなります。
メリット
- 人間の心理を利用して一番売りたい商品を買わせられる
- 「買わない」選択肢の存在を薄くできる
- 今まで売れていなかった高い商品を買う層も出てくる
といったところでしょう。
何よりも「買わない」を減らせるのが大きく、さらに真ん中の商品が多く売れて高い商品も売れるので顧客単価が上がります。
また、梅や松ができたことを理由に値上げをすることも可能になります。
こちらの動画でわかりやすく説明されているので興味のある方はご覧ください。
2.アップセル
アップセルとは、商品やサービスを購入しようとしているお客様に対して、より高価な上位の商品の販売を目指すセールステクニックです。
自動車を買うときにシートやハンドルの質、色を選べたり安全装置をつけたりなど、様々なオプションなどをつけてアップグレードすることがありますよね。
これがアップセルです。
使い方
買うことを決めているお客様に対して行いましょう。まだ買うか決めていない人に行っても押し売りになりかねません。
比較的高価な商品の方が成功率が高く、自動車や家電などの成功率が高いです。
上位商品を買うことで得られる優越感やプレミア感を刺激することがポイントです。
また、クレジットやローンを利用することが多いため、アップセルをした場合の差額を「毎月○○円足すだけでグレードアップできます!」と示すことでお得感を演出できます。
注意点
あまりしつこく勧めると押し売りになってしまうので引き際を見極めることが大切です。
お客様が求めているだろうポイントを突くことが必要です。求めていないのに勧めてしまうとこちらが売りたいだけだと思われてしまい、最悪の場合購入をやめてしまうこともあります。
お客様の求めているであろうことを提案し、アップセルを狙うようにしましょう。
メリット
基本的に「買う」ことを決めている人に対して行うので、顧客単価が下がることはありません。アップセルを行った時の成功率も高いため、活用しやすいです。
アップセルで一度良いものを購入した顧客は、それよりも品質の劣る商品では満足できなくなり、上位商品を購入し続ける傾向があるため長期的な顧客単価アップも望めます。
3.クロスセル
お客様が購入した商品と関連性の深いものを追加して販売することを狙うセールステクニックです。
マクドナルドでハンバーガーを買った時に「一緒にドリンクはいかがですか?」と聞かれたことありませんか?それがクロスセルです。
「ついで買い」を発生させることで顧客単価を上げる手法となります。
使い方
先ほど出てきたようなファストフード店なら「○○と一緒に◆◆はいかがですか?」と勧めたりします。「○○と☆☆のセットだとお得ですよ!」とセットでの販売をすることも有効ですね。
スーパーでひき肉の近くに餃子の皮を置いて抱き合わせ販売を行い、店員を介さずにクロスセルをすることも可能です。
お得感や便利感を演出することでお客様の購買意欲を刺激するのがポイントです。
注意点
アップセル同様、お客様がメリットを感じられなかったりすると押し売りと思われてしまいます。
あくまでお客様が必要とするものを勧めることを念頭に置いてください。
セット販売など、よりお得に手に入る方法を知らないお客様に対してアドバイスをするような意識で行いましょう。
「得をした」「効率が良かった」と思わせる必要があります。
メリット
メインとなる商品に対して何を勧めるかなどをマニュアル化できるので、経験や知識の少ない人でも実行できます。
買う方に考えが寄っているお客様に対して行うことがほとんどなので、こちらも比較的成功率が高いです。
飲食店、アパレルショップ、スーパーなどどんなお店でも実行できるのもメリットでしょう。
4.新商品の発売
新商品の販売は、どんなに長く続く企業でも必須です。
ずっと同じ商品で何年も運営をしていけるほど社会は甘くないのです。
ロングセラーの商品も味を増やしたり期間限定商品を作ったり、パッケージを変えたりなどして飽きさせない工夫をしています。
定期的に新しい商品を出すことで飽きさせないようにしなければなりません。
使い方
人は新しいものに対して強く興味を持つ性質があります。
ですが、同時に新しいものに対して恐怖や不安感を感じます。
既存顧客であれば、企業との信頼関係があるので、この不安を払しょくできます。既存顧客の顧客単価を上げることを狙いましょう。
頻繁に新しいものを出すのは企業としても難しいですし、よほどコアなファンでもない限りは面倒になって顧客が離れることもあります。
1~3年に1度を目安にすると良いでしょう。
期間限定商品として出すのも話題性を取れるので有効です。
注意点
とりあえず新商品を販売するのではいけません。
お客様は商品の開発より消費のスピードが速いので基本的に新しいものを求めています。「もっと○○ならいいのに」「○○があったらいいのに」という思いを抱いていることが多いのです。
この思いを満たすような商品を作る必要があります。
- 既存の商品を改善
- 組み合わせて使うもの
- 既存の商品の別バージョン
などにするとお客様が買いたいと思ってくれるのです。
これから外れてしまうとお客様は求めていないので購買には至りません。
メリット
既存顧客を離さずに定期的な購買を促すことができます。
新規顧客の獲得を狙うよりも実行しやすいのもメリットでしょう。
既存の商品と合わせて買うことや、購買頻度を上げることができるため顧客単価を上げることを狙えます。
5.特典によるまとめ買い
「1個105円 3個買うと300円」
「〇〇円以上の購入で送料無料」
「〇〇円以上買うと〇%off」
「〇日まで!○○お買い上げで○○プレゼント!」
「今定期購入を申し込むと○○が無料!」
こんな言葉を見たり聞いたりした記憶はありませんか?
このようにもともと買おうとしていた商品に少し足すとお得になる!と謳って購入を促す手法です。
特典は「お得」か「限定」のどちらかの要素を必ず含んでいます。
やり方
数を売りたい商品に行うと有効です。
例えば在庫が残っている商品や季節ものの商品など残ると在庫を圧迫する商品を売る際に使えます。在庫は残っていても利益になりませんので、景品やまとめ買いなどで利益を取ることを選びましょう。
利益が出ないほど行うのは推奨できませんので、利益がとれる範囲内で行います。
マッサージやエステサロンなどでは回数券を発行して先に1年分の料金を貰うことも可能です。「10回分の料金で12回できます」というとお得感がありますよね。お客様も先にお金を払っていますし、せっかくだからちゃんと通おうと思います。
喫茶店でもコーヒー券を発行していたりしますよね。大体2杯分お得になることが多いです。
注意点
やりすぎると利益がなくなってしまいます。
まとめ買いを行うとどうしても利益率は下がります。ですが、在庫を圧迫したり集客できていないという問題を解消するにはかなり有効な手段です。
なので様々な企業・店舗が実施しています。
ただ、やたらめったらお得にすると本当に利益が取れなくなってしまいます。送料を無料にしても困らない、無料にしても困らない回数などを見極めて実施する必要があります。
メリット
- 圧迫してる在庫を処分できる
- 見込み客を呼び込める
- 新規顧客を獲得できる
などが挙げられます。
基本的には利益率は下がるので避けたい方も多いでしょうが、考え方次第でかなりメリットのある手法になります。
まとめ
値下げはせずともお客様に買ってもらう方法はあります。
- 選択肢を用意して「買わない」をフェードアウトさせる
- より良いものを勧める
- 関連性の深いものを勧める
- 新商品を出して既存顧客に買ってもらう
- まとめ買いで在庫処分&集客を狙う
などなど、顧客単価を上げる方法を今回は5つ紹介しました!
手法はまだまだありますが、基本的に値下げをしないでできます。どうしても手がなくなったら値下げするくらいの気持ちにしましょう。
お客様が求めるものやお得に感じるものを用意することで顧客単価を上げることができます。
間違ってもこちらが売りたいからという理由だけで推し進めないようにご注意ください。
それでは次回のブログをお楽しみに!